FFCの基本仕様

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田中 啓一・著
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FFCの基本構造


FFCの基本的な構造

 導体は、平型形状(長方形)の錫めっきされた銅箔で、その導体を幅方向に一定間隔で並べ、2枚の薄いフィルムでサンドイッチしています。  絶縁フィルムは、耐磨耗性等の性能を維持するべく、外側に機械強度に優れたエンプラであるPET(ポリエチレンテレフタレート)を使用し、内側にはそれを接着させ、導体を埋め込むための接着材層を持った2層構造になっています。端末部はコネクターに挿入するために、厚いPETフィルムで補強されており、このフィルムを補強板と呼んでいます。

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図1 FFCの基本的な構造
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図2 FFC端末部の各部名称

端末部の構造寸法
FFCは、専用コネクターに挿入して使用されるため、コネクター端子との嵌合(接続)部である端末の導体露出部の寸法は非常に重要な項目です。端末部の各部分の名称を図2に、また、ピッチごとの各部寸法を表1に示します。導体の幅と導体間のスペースの関係は、製法上の精度や短絡(ショート)の危険性を考慮して決められています。

表1
部位
各部寸法(mm)
ピッチ
2.54
1.25
1.0
0.8
0.5
トータルピッチ
ピッチ×(芯数-1)
製品幅
ピッチ×(芯数-1)
マージン幅
1.905
0.85
0.65
0.55
0.35
導体幅
1.27
0.8
0.7または0.6
0.5または0.4
0.3
端末厚
0.3


加工形態
FFCは、その端末の形状でいくつかの加工形態に区分されます。図3に示すように、

3-3.jpg
図3 FFCの加工形態


A:両端末同方向に導体露出面があるタイプ
B:逆方向に導体露出があるタイプ
C:片端末がはんだ付け仕様になっているタイプ
(片端末に補強板がなく導体が露出している)
この3タイプがFFCの加工形態の大半です。

UL規格
FFCは、UL規格を取得し、ほとんどの製品がUL規格品として出荷されています。 製品本体には、UL規格品であることを示すためのマーキングが施されています。  FFCが取得しているUL規格は、AWM(Appliance Wiring Material)というカテゴリーで、完成品としてUL規格を取得していることを表しています。規格の内容としましては、まずスタイルNo.があり、そのスタイルNo.ごとに温度定格、電圧定格、使用する絶縁材料、導体材料、および構造的なものも一部決められ、すべてのFFCは、難燃規格として最も厳しい垂直難燃試験(VW-1)に合格しています。  図6に代表的なマーキングの内容を示します。


○○○○○
UL
AWM
E00000
2896
80℃
60V
VW-1

‥佻燭気譴討い訐渋ぜ厂召よび工場
■妝滅定品を示すUL規格のロゴ
5格のカテゴリー
で定メーカーの登録NO.
ゥ好織ぅ襭裡蓮
Σ硬拂螻
電圧定格
難燃規格

図6 FFCのULマーキング例


表2 FFCの各種ULスタイルNO.
スタイルNO.
温度定格
電圧定格
2896
80℃
30V
20624
80℃
60V
20861
105℃
60V
20941
105℃
90V
20783
105℃
300V
・・・・
・・・・
・・・・

CSA規格
一部の用途ではCSA規格の取得を求められる為製品としてはラインアップされており、図7に示すようなマーキングがULのマーキングと並記する形で施されています。

3-7.jpg
図3 FFCの加工形態

電気用品安全法
 以前は、電気用品取締法と呼ばれていた日本独自の規格で、電線においては「使用温度上限値」と「燃焼試験(Fマーク)」の規格がありますFFCの場合は、絶縁体が2層構造になっていますが、導体と接触している部分の材料が絶縁体と見なされます。FFCの絶縁体は、PVCやポリエステル混合物ですので使用温度上限値は75℃と規定されています。
 また、Fマークは難燃規格で、もともとテレビの内部に使用される部品に対して定められた規格です。FFCもテレビの内部配線で使用されるケースがあり規格が取得されました。また、規格取得を示すマーキングとして「-F-」がFFC表面に印字されています。


参考文献:田中啓一著「よくわかるフレキシブルフラットケーブルのできるまで」